E. Cuniculi 感染ウサギの診断と治療−改訂 先の記事でわたしは ウサギにおけるEncephalitozoon cuniculi ( E. cuniculi ) の検査についてに述べた。診断薬が入手可能となり、また新たな治療法も行われるよ うになり、ウサギを検査する意義がより高まった。 我々は数多くの臨床上異常の見られないウサギの検査を行った。何らかの神経学的な 異常を呈するウサギについても数頭検査を行い、E. cuniculiに陽性反応を示したウ サギを何頭かalbendazole(Valbazen, SmithKline Beecham Animal Health, West Chester, PA)によって治療した。albendazoleは牛の寄生虫の駆虫や、AIDSのような 高度に免疫の抑制されている人間におけるE. cuniculi感染症の治療に用いられる薬 剤である。 我々の努力の結果興味深いことが明らかとなり、結論には至っていないが、楽観的な 考えを持っている。臨床上正常な(健康な)ウサギにおける検査で、 25 頭中 11頭 ( 44% )が非常に高い力価を示した。この結果はそれらのウサギが感染している か、過去に感染を経験したことを示している。神経学的な異常を呈するウサギも何頭 か見られた。症状は前庭の異常(torticollis/head tilt、斜頚)から麻痺、不全麻 痺(神経学的な機能の喪失)まで様々で、どれも陽性を示した。臨床症状を呈し、E. cuniculiに陽性反応を示したウサギをalbendazoleにより治療を行った結果、症状の 改善が見られた。このことは、我々の励みとなった。 上記の結果は準備段階のものであり、まだ不確実なものであることを認識する必要が ある。しかし、この結果からはいくつかの結論を得ることが出来る。まず第一にE. cuniculiはサンディエゴ地域の至る所に常在していることが考えられる。他の地域の ペットのウサギ、家ウサギで調査が行われたかどうかはわかりません。従ってこの疾 患が他の地域に比べてこの地域でより多く発生しているか、あるいはよる少ないの か、判断することは困難です。 第2に、我々が診察したウサギの神経学的な疾患の一部はE. cuniculi 感染と関連が あるという、より強い疑念を持った。これは死語剖検の結果を追認するものでもあ る。前庭疾患を疑う症例の中にE. cuniculi感染を原因とするものが含まれるであろ うことはすでにわかっていたが、しかし中枢神経系の疾患は症状が特異的ではないた め、原因の診断は極めて困難である。 最後に、そして最も重要なことは、この疾患に感染しているウサギに対して現在行わ れている治療法により、効果が得られると考えられることである。 albendazoleによ る治療を受けたウサギの飼い主が報告している。「治療開始後すぐに運動能力のわず かな改善と、治療5日後には食欲が改善したほどの大きな変化が見られた」。 現時点で我々は神経学的な異常を呈するウサギには E. cuniculiの検査を行うことを 推奨する。E. cuniculi感染の危険性の高い群のウサギに神経学的な異常が見られた 場合、特に若齢のウサギで前庭に異常が見られた場合には、albendazoleによる治療 を考慮するべきである。また、 E. cuniculiに陽性反応を示したものも同様である。 新たにウサギを導入する場合には検査を行い、抗体陽性を示すウサギは臨床症状の出 現が無いかどうかを注意するように勧めている。臨床症状は見られないが、血清学的 に陽性を示すウサギの治療を行うかどうかは議論の余地がある。現時点ではこれらの ウサギは定期的に検査を行うように勧めている。抗体価の上昇を見る場合、また、斜 頚などの臨床症状が現れた場合は治療を行うことを勧める。 by Jeffrey R. Jenkins, DVM