FAQ:ペットのウサギの一般的な医学的問題 赤色尿/A> アモキシシリン シダーチップ、パインチップ 不妊/去勢 歯 毛玉 外科手術 細菌感染症 消化器疾患 ------------------------- Primary Author(s): Sandi Ackerman Sources: HRH, various articles from the HRJ Last Modified: 3/3/96 赤色尿 ウサギの尿の色は透明、黄色、茶色、赤と変化します。他に排尿時のいきみや、食欲 の減退、体温の変化などの症状が見られなければ心配することはありません。尿が赤 い色をしていてもあわてずに、他に何かの異常を示す症状が無いか、良く観察して下 さい。もし疑わしいときは動物病院で尿に血液が混じっていないかどうか検査しても らって下さい。 アモキシシリンの危険性 獣医師がアモキシシリンを処方したら、それは決して与えないで下さい。ピンク色で チュウインガムのような臭いがする抗生物質はその可能性があります。アモキシシリ ンはウサギにはとても危険です。ウサギを治療するどころか死に至ります。ペニシリ ン系の抗生物質もウサギには危険です。ウサギに対する安全な抗生物質の使い方に詳 しく、より安全なクロラムフェニコール、テトラサイクリン、サルファ剤、エンロフ ロキシンなどについて熟知している獣医師を捜してください。 シダーチップ、パインチップ これらの製品はウサギやその他のペットにも害があります。これらの巣材が発する芳 香性炭化水素はウサギやその他の小動物に呼吸器障害、肝障害を生じます。 不妊/去勢 House Rabbit Societyでは1000頭以上のウサギを不妊・去勢してきましたが、麻酔に よる死亡率はおよそ0.1%ほどでした。これに反して、不妊手術を行っていない雌での 致死的な生殖器の癌の発生率はおよそ85%に及びます。このために不妊手術は行うべ きと考えられます。雄のウサギでは、去勢の利点は主に行動面の変化です(尿のスプ レーが無くなり、ホルモンの影響による攻撃性もなくなります)。ウサギの診療経験 の豊富な獣医師であれば、健康なウサギに対しての不妊・去勢の手術ではほとんど危 険性はありません。 歯 ウサギには歯の不整が見られ、この状態は「malocclusion(不正咬合)」と呼ばれ、 ウサギの常に伸び続ける歯が適切に磨耗しなかったことを示します。不整がひどけれ ば採食の妨げにならないように定期的に歯を切る必要があります。獣医師が歯を切っ てくれますし、家での切り方も教えてくれるでしょう。通常不正咬合は切歯(前歯) のみにみられますが、時には臼歯(奥歯)にも見られます。奥歯の不正咬合の徴候の 一つは涎で濡れた顎です。もしこのような状態の時は、定期的に獣医師によって奥歯 を切り揃えてもらう必要があります。 毛玉 ウサギは3ヶ月ごとに毛が生え代わります。2度目の生え代わりは常に薄く、それに続 いて3ヶ月後には厚い毛に生え代わります。毛玉はウサギの死因の重要な要因となり ます。毛の生え代わり時期には抜け毛をブラシや櫛ですいて取ってあげる必要があり ます。ウサギは猫と同じように自分でからだを舐めて身繕いをし、舐めた毛はすべて 飲み込んでしまいます。しかし、ウサギは猫のように嘔吐は出来ません。そのため、 定期的に毛づくろいをし、線維が毛の消化管の通過を助けるので毎日新鮮な干し草を 与えます。Petromaltや Laxatoneなどの猫用の毛玉用の薬を、換毛期には毎日、それ 以外の時期には週に一回与えても良いでしょう。また、毎日の運動も毛玉の予防には 大切です。 外科手術 準備の出来るような手術の場合は、手術前の健康状態が良好なことを確認して下さ い。ウサギでは手術前の水や餌は、前の晩までさかのぼった制限しないで下さい。食 餌内容の変化はどのようなものでもウサギの敏感な消化機能を乱し、術後の回復に問 題を生じます。 動物を手術する前に餌や水を除くように獣医師が指示する理由の一つは、手術中に食 べたものを嘔吐する危険性があるからです。ウサギは嘔吐できないため、この点で問 題はありません。加えて、獣医師によっては盲腸内容物がある状態での不妊手術を心 配しますが、残念ながら盲腸を完全に空虚にするには3-4日の絶食が必要です。そし て、それまでにはウサギは死亡してしまうでしょう。ですから、決して手術前にウサ ギの絶食は行わないようにして下さい。 手術後、ウサギのケージは必ず清潔にし、縫合部位を毎日確認して、腫脹や侵出物が ないか注意して下さい。家へ帰ってからはウサギに餌を食べさせるように、最大限の 努力をして下さい。なだめすかしてでも食べさせるためには、普段与えているフード や干し草以外に様々なおやつなども与えなければならないかも知れません。手術後48 時間たっても餌を食べなければ、獣医師に相談して下さい。 細菌感染症 感染の初期の徴候は鼻汁や眼脂、時には発熱、肺胞音あるいは稀ですが咳込むような 音です。どのような症状でも、細菌感染を疑うような症状が見られたらすぐに獣医師 の診察を受けることが重要です。初期に治療を受ければそれだけ治癒しやすくなりま す。最も良く耳にする細菌はパスツレラでしょう。この細菌感染はしばしば重大な問 題となりますが、新しい抗生物質を使うことでこの細菌は抑えることが可能です。ま た、もし完全に抗菌できなくても長期的に抗生物質を使うことでコントロールが可能 です。ここに示した症状は多くの細菌感染に共通のもので、どの細菌に対する治療を すればよいか確認するため、培養を行ってもらうことが大切です。 消化器疾患 以下のような症状があれば、ただちに獣医師の診察を受けて下さい。 下痢−人間の子ども同様、ウサギでも下痢は死に至ることもあります。ウサギには 様々なタイプの下痢が見られ、水様で、体が汚れ、臭いがきつければすぐに気づくこ とができるでしょう。水様の下痢ほどに切迫したものではない場合では、糞の外観は 正常でも、それを取り上げようとしたときに崩れてしまうような判別の難しい下痢の 場合もあります。糞が一塊になった下痢も見られます。この場合には軟便に正常な丸 い糞が混ざったものと考えられます。下痢の場合、通常獣医師により抗生物質を処方 してもらう必要があります。他に注意すべき徴候は、大きな腹部蠕動音、不整型の 糞、あるいは排便の欠如などです。これらの徴候が見られたらすぐに獣医師の診察を 受けて下さい。獣医師はしばしばこう言った状態を毛玉症と誤診します。 ---------------------------------------------------------------------------- House Rabbit Society は非営利の保護教育活動を行う団体です。種子に賛同し、こ こにある情報を有益なものと感じられた方は是非寄付にご協力下さい。 Last modified on 11/20/96 by Paige K. Parsons